みなさんこんにちは。漫画大好き夢見るミドサーのうさこです。
本記事では、講談社『Kiss』で連載中の、有賀リエ先生の作品『零れるよるに(既刊4巻)』のあらすじ、感想、お得に読む方法を書いていきます。
最新刊4巻が2024年8月9日に発売されました!
作者の有賀リエ先生は、2011年に雑誌『Kiss』でデビュー。代表作は『パーフェクトワールド(全12巻)』で、実写映画化もされました。
『零れるよるに』は、児童養護施設で育った少女・よると少年・天雀の、共依存から始まる恋の物語です。親のDV、ネグレクトや非行、養護施設への差別や偏見の目など、シリアスな問題を描いています。苦しい中でもひっしにもがき、生きていこうとする二人から目が離せないストーリーです。
では早速解説していきます。
登場人物
物語は、児童養護施設を舞台にスタートします。
遠野夜
10歳の時に児童養護施設に預けられる。父親は消息不明、母親のネグレクトによって学校から通報を受け、保護された。母親からもらったルービックキューブを大切に持っている。
天雀
8歳の時、児童養護施設に預けられる。父親から酷い虐待を受けてきた。よるのことを大切に想い、よるが施設に来てから守り続けてきた。
勇大
よると天雀と同じ施設で育ったが、施設がなくなれば親が迎えに来てくれると思い、建物に火をつけ、火事を起こしてしまう。その結果、「児童自立支援施設」へ行くことになる。大人になってからある出来事によってよると再会。
小鳥遊さん
施設職員。子どもたちのことを我が子のように大切に想い、温かく見守り、育てている。
あらすじ
2012年夏。遠野夜(10)は児童養護施設に預けられる。
施設に来た日、母親から買ってもらったルービックキューブを勇大に奪われ、取り返そうとしたところ天雀が怒って勇大を突き飛ばす。その夜、近くの川で水浴びをする天雀を見つけ、二人は会話をする。
よるは天雀に大切なルービックキューブを触らせ、天雀は「いじめられたら俺に言え、味方になるから」と話した。
夏。施設の子どもたちでキャンプへ行く。そこに勇大の姿はなかった。よると天雀、子どもたちは楽しい時を過ごし、帰路についたが、施設に戻るとなんと火事が起きていた。
よるはルービックキューブが燃えてしまうと号泣する。それを見た天雀は危険を顧みず燃え盛る施設に飛び込み、よるのルービックキューブを持って出てくる。
火をつけたのは、勇大だった。施設がなくなれば、母親が迎えに来てくれると思ったからだ。彼は児童自立支援施設に行くことになり、それから会うことはなかった…。
数年後。二人は高校2年生になった。よるは、天雀とずっとともにいることだけを考えて生きていたが、18歳で児童養護施設を出ていかなければならない。その日は刻一刻と近づいていた―――
見どころ・感想
児童養護施設について、そこで育った子どもたちが抱える背景や問題について、真正面から描いています。
身勝手な大人に振り回される子どもたち
物語は主人公のよるが8歳のときから始まります。よるは母親のネグレクト、天雀は父親の虐待から保護され、児童養護施設に預けられました。
第三者からするとそんなひどい親と暮らすより児童養護施設にいたほうが安全に暮らせる、と思うのですが、どんなに酷い親であっても、子どもたちは親からの愛情を渇望し、健気に待ち続けます。
親との数少ないいい思い出を思い出し、いつか迎えに来てくれると思ってしまう子どもたちが切ない…。
流されるままに生きて子どもを作り、面倒が見られないと親の役割を放棄して…身勝手な大人たちに怒りがわいてきます…。
虐待、偏見、毒親…社会の闇を描く
前述の虐待に加え、児童養護施設への世間の偏見や、そこで育った子どもたちの現実などが、真正面から描かれています。
18歳になり高校を卒業したら、施設を出て自分の力で生きていかなければならないという現実は、厳しい現実だと感じました。
18歳は現代では成人の年齢ですし、大人と言えば大人なのですが、まだ実家で暮らしていたり、進学で家を出ても仕送りをもらっていたりする子が大半だと思います。そんな中、ひとりで生きていかなければならない重圧はただならぬものだな、と。
何かもっと社会的な支援が充実してほしいです。
共依存から始まる恋
主人公のよる、そして天雀は数々の辛い出来事をともに乗り越えていくうちに、お互いが唯一無二の存在になっていきます。ただ、その関係は、「共依存」。
共依存とは、自分自身に焦点があたっていない状態のことです。
たとえば――。
自分の価値を、周囲の基準だけを頼りに判断する。
自分がどうしたいかではなく、周囲の期待に応えることだけに必死。
他の人の問題を解決することに、いつも一生けんめい。誰かの役に立とうとするのは、もちろんいいことです。
引用元 https://www.a-h-c.jp/article/4950
周囲の人に認めてほしいとか、好かれたいと思うのも、自然なこと。
けれどその結果として、自分自身がどんどん苦しくなったり、一生けんめいやればやるほど状況が悪化することがあります。
そんなとき、背景に共依存の問題があるかもしれません。
よるにとって天雀の存在がすべてとなり、物事の判断基準がどんどん天雀中心になっていきます。
二人の間には固い絆があり、恋に落ちるのは必然だったと言える状況ですが、その関係はどんどん歪なものとなっていきます。
この「共依存」から生まれた恋が、幸せな結末を迎えるのか、見守りたいです。
どうか幸せをつかんでほしい
「愛されたい」と渇望する苦しい思いを抱えながらも、お互いを支え合って生きてきた二人ですが、高校生編が終わるころ、ある出来事によって離れ離れになってしまいます。
それでもお互いを求め続けていましたが、施設を出て数年したころ、不幸な出来事が重なり、よると天雀は音信不通に…
二人とも、今できることを精一杯やって生きていこうとしているのに、生い立ちのハンディや偏見に立ちはだかられるのが読んでいて苦しいです。
どうか、この苦しい状況を乗り越え、よると天雀のふたりが再会し、幸せに生きてほしいと願わずにはいられません…
最新刊4巻の感想レビュー
再会を約束して別れた天雀はコロナ禍で起きた「ある事件」がきっかけで、よるに何も告げずに消息を絶った。大学進学のためによるは一人、上京する。そして数年が経って……。
引用元 講談社コミックプラス https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000396146
幼少期編→高校生編と来て、ついに大学生編になりました。
小鳥遊さんの助言もあり、未来のために一旦離れる選択をした二人。
しかし、コロナ禍が二人の関係をさらに遠ざけてしまうことに…
あの頃は、世の中が大変なことになっていたよね。
こういう時、真っ先に打撃を受けるのは社会的弱者なのだと突きつけられる描写が辛い。
天雀は真っ直ぐに生きてきただけなのに、あの父さえ邪魔しなければ、幸せな大学生活があったかと思うとやりきれません。
二人の関係がどう動くのか?絆は途切れてしまうのか?ぜひコミックを読んで確かめてください。
有賀リエ先生について
有賀リエ先生は、長野県出身の少女漫画家です。2011年に講談社『Kiss』にデビュー作が掲載。2024年からは『パーフェクトワールド(全12巻)』を連載スタートしました。
『パーフェクトワールド』は車いすの男性との恋を描いた作品で、実写映画化もされ大ヒットとなりました。
有賀先生の作品は、単なる恋愛物語にとどまらず、社会的なテーマも取り扱っています。『パーフェクトワールド』では、主人公が車椅子を使って生活する青年であり、障がいに対する社会的な偏見や障がい者の恋愛というテーマに真正面から向き合っています。こうしたテーマを扱うことで、恋愛の障壁や社会的課題を描きながらも、愛の普遍性や成長の過程を感動的に描いています。
このマンガがすごい!2024 10位にランクイン
『零れるよるに』は、毎年宝島社が発行する「このマンガがすごい!」の2024年版で10位を獲得しました。児童養護施設が抱える困難や問題を真っ向から描いているところが評価されたようです。
お得に読むには?
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まとめ
講談社『Kiss』で連載中の、有賀リエ先生の作品「零れるよるに(既刊4巻)」のあらすじ、感想、お得に読む方法を紹介しました。
5巻は2025年2月発売予定です。
困難に立ち向かうよると天雀、二人の恋の行方が気になります!
ではではまたね♡
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